2022年9月現在、変動金利は過去最低水準をキープしています。(※1)一方、米国金利は利上げに転じており、日本でもその影響を受けている人は少なくありません。
そのため、今後、日本での住宅ローン金利がどうなるのか、動向が気になる人は多いのではないでしょうか。
本記事では、住宅ローンの金利手数料について解説します。これから住宅を購入する人やローンの借り換えを検討している人など、住宅ローンについて気になっている人は本記事を参考にしてください。
この記事の目次
「住宅ローンの金利」3つのタイプの違い
住宅ローン金利には主に3つのタイプがあります。それぞれの違いについてみていきましょう。
変動金利型
通常、金利を半年ごとに見直します。金利変動の幅に制限がないため、もしも途中で金利が大幅に上昇した場合は、いくら返済しても元金がなかなか減らない事態が起こるため注意が必要です。
ただし、現在は長期間低金利が続いているため、変動金利型を選択している人は少なくありません。
全期間固定金利型
借入期間中全期間の金利が固定されています。将来市場の金利が変動しても、返済内容に変更はありません。
全期間の返済内容が確定しているため、ライフプランを立てやすいという利点があります。ただし、一般的には変動金利タイプと比べ金利は高めに設定されている点には注意が必要です。また、その後金利が下がった場合でも、当初の金利を払い続けなければならない点はデメリットと言えるでしょう。
固定金利選択型
借り入れ当初から一定期間中の金利が固定されます。固定期間は2年、3年、10年、15年などさまざまです。固定金利期間終了後、変動金利型に変更となります。
プランによっては再度固定金利選択型を選ぶこともできますが、その時点の金利で返済額の再計算を行います。
住宅金利の推移比較
住宅ローンの変動金利は2009年から現在までずっと年2.475%の状態が続いています。
なお、この変動金利は「店頭金利」とも言われており、各金融機関が自由に決定できる基準となる金利です。しかし、実際にはこの店頭金利は各金融機関が競争により設定するため、実質、横並びとなる傾向にあります。店頭金利の他に適用金利があるのをご存じでしょうか。
適用金利とは、店頭金利にさらに金利優遇を行い引き下げられる金利のことです。この適用金利が現在0.5%近くの超低金利となっています。(※2)
ただし、適用金利は金融機関において具体的に公開していません。また、各個人の持つ諸条件などで、実際にどこまで適用されるのかは異なります。しかし、現段階で過去最低の水準となっていることは間違いありません。
米国金利の利上げによる日本への影響
一方、アメリカではインフレ対策として金利の利上げが行われています。日米の金利差が大きくなると、円安ドル高状態となり日本国内のインフレが懸念されます。
日本は今、政府が所得上昇を企業に求めている段階ですが、まだまだ追い付いていません。そのなかで、円安によるインフレが進み物価が上昇すると、市民の生活は苦しくなります。
そのため、いつかはこれを解消するために日本も金利の利上げを検討しなければならなくなるでしょう。
変動金利はいつ上がる?
日本の金利上昇がいつになるのかは、今後の日米間の為替状況や国内のインフレ、賃金上昇の傾向などさまざまな要因が絡んでくるため正確に予想することは困難です。
金融緩和政策が縮小された場合、市場金利は上昇し住宅ローンの変動金利も上がると思われます。しかし、日銀は「物価指標が安定的に2%を上回るまで金融緩和を続ける」と言っており、日銀による金融緩和は長期化するとみられています。そのため住宅ローンの変動金利は早くとも2030年以降になると考える向きが濃厚です。(※3)
一般的に、変動金利は毎年4月と10月に見直しが行われます。そのため、毎月のように金利上昇のリスクを心配しなければならない、ということはありません。
変動金利が上がる前に、固定金利が上昇するのが一般的です。変動金利の動向が気になる方は、固定金利の動きなどをこまめにチェックしておくとよいでしょう。
まとめ
住宅ローンの変動金利は現在、過去最低水準をキープしています。一方、米国の金利は上昇しており、金利差による日本円への影響・インフレなど懸念材料は少なくありません。
日銀は安定的に2%のインフレとなるまで金融緩和を続けると明言しているため、2030年頃まで変動金利はキープされるとみられています。しかし、今後の状況次第では事態が急変することもあるため注意が必要です。
これから住宅を建てるために住宅ローンのタイプをどれにするか迷っている方や、現在の住宅ローンの見直しを検討している人は少なくありません。
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