将来のための資産形成を考える際に投資信託を持つべきか、変額保険を持つべきか悩まれることはありませんか?どちらの商品も自分の資産を預けて運用してもらうことですが、特徴など異なる点があり、それぞれの商品を比較して違いが理解できるよう解説していきます。
投資信託とは?
利益を得るために株式や証券などにお金を出し、そのお金を専門家に託して運用してもらうことです。
投資信託は「投資信託運用会社」で商品が作られ、金融機関がその商品の「販売会社」として販売をし、商品を投資家が購入することで資金が集められます。その資金は「信託銀行」に保管してもらい、「投資信託運用会社」は集めたお金をどこに投資するのかを考えて、その投資の実行についてはお金を管理している「信託銀行」に指図して株式や証券の売買などの運用を行います。運用による収益や損失が投資額に応じて投資家に分配されます。
いわゆる「元本は保証されていない商品」なのです。
変額保険とは?
変額保険とは、契約者が払い込んだ保険料を株式や債券等で契約ごとに運用(特別勘定)し、その運用成果に応じて死亡保険金額や解約返戻金などが増減する保険です。
変額保険には終身型、有期型、年金型と3タイプに分かれます。
(例)変額保険(終身型)
運用実績がプラスの場合、払い込んだ保険料以上の保険金(死亡保険金、解約返戻金)を受け取れることはできます。
運用実績がマイナスの場合、解約返戻金は元本割れを起こすリスクがありますが、保険金額は最低保証として設定されている商品も多いため、最低保証を下回ることなく保険金を受け取ることができます。
いわゆる変額保険は「保障のついた投資信託」なのです。
投資信託と変額保険との比較
保険に投資信託が付いた「変額保険」と一般的な「投資信託」の違いを以下のとおり比較してみました。
変額保険 | 投資信託 | |
商品数 | 数種類(保険会社の商品によって異なる) | 約6,000種類 |
投資金額(保険料) | 保険会社、払込方法、契約年齢によって異なる | 100円~ |
保障 | 死亡保障(高度障害保障)あり | なし |
資産割合の変更 | 年12回まで | できない(スイッチング) |
解約 | できる(解約控除あり) | できる |
税制優遇 | 生命保険料控除高度障害保険金非課税相続税が優遇 | なし(NISA口座内であれば税制優遇あり。ただし対象商品あり) |
比較表より、投資信託は多くの商品を選ぶことができ、投資金額も手軽に始められる金額であるため運用だけを考えている人に向いている商品です。
変額保険は「投資もしたいけど将来必ずおきるリスクにも備えて資産形成したい」人に向いています。
投資をはじめる目的が「運用だけ」なのか「長い人生における資産形成なのか」の違いで決めることが商品を選ぶポイントになります。
それでは、投資信託と変額保険の各々を比較したポイントについて解説していきます。
比較してみたポイント
- 商品数
投資信託は国内株式、海外株式、債券、不動産などさまざまな商品があります。ただし、多くありすぎて選ぶことができないデメリットがありますが、積立NISAであれば商品が限られインデックスファンドが主流となっているため、初心者の人には積立NISAを活用するほうが良いでしょう。
変額保険の場合、商品は数種類しかなく投資信託の購入経験者にとって物足りなさを感じてしまいそうですが、保険会社も機関投資家の1つであるため、契約者から集めた保険料で投資を行いますが、商品内容は厳選された商品(特別勘定)がラインナップされており初心者にとって選びやすく安心して加入することができるメリットがあります。
- 投資金額(保険料)
投資信託の場合、ネット証券であれば100円から投資をすることができ「お小遣い程度」からスタートができる魅力があります。
変額保険の場合は、商品を販売している保険会社、死亡保険金額、年払や月払の払込方法、保険を対象とする人(被保険者)の年齢によって異なりますが、投資信託よりはかなり多くの保険料が必要になります。
- 保障
比較する上でいちばんの違いであると言えます。将来起こりうる死亡リスクに備えて資産形成を考えるのであれば変額保険一択となります。
ただし、手数料や運用コストのほかに保障に対するコストが必要になります。運用効果のみとして考えるのであれば投資信託は魅力といえるでしょう。
- 資産割合の変更
資産そのものを変えたり割合を変えたりすることを変額保険では「資産構成割合の変更」といいますが、年間12回までの変更であれば手数料はかかりません。
投資信託の場合、いままで所有していた商品を売り、売ったお金で他の商品に乗り換えることをスイッチングと言います。
スイッチングする場合は別途手数料がかかり、新しく購入する投資信託はどれでも選ぶことはできないため、解約する前に希望する商品を購入することができるかを確認する必要があります。
- 解約
投資信託は問題なくその時点での価格で解約することができます。
変額保険も解約することはできますが、契約してから10年未満で保険料を払っている最中に解約した場合は、解約控除費用というものが発生します。
保険会社は10年以上契約を継続してくれることを見込み、契約してから間もなく死亡した場合に備え保険金がいつでも払えるように前倒しで積立てしております。
途中で解約した場合、解約をした日以降分の前倒しした保険金積立部分を契約者に負担してもらうために解約控除が発生する理由となります。
- 税制優遇
投資信託で税制優遇となるような制度はないですが、NISA口座を活用することが可能であれば、運用した収益部分に対し20%の税率を乗じるべきところ5年間は非課税扱いとなります。
変額保険の場合、支払っている保険料は毎年の確定申告の際に生命保険料控除として申告することで所得税を軽減することができます。
保険金は死亡した場合だけでなく、保険会社所定の高度障害となった場合に保険金を受け取ることができますが、この保険金は非課税になります。
死亡保険金を受け取り相続税が発生した場合は、相続税非課税限度額(500万✕法定相続人数)を控除することで限度額分は相続税を軽減することができます。
まとめ
投資信託と変額保険、将来のための資産形成として貯蓄をする場合にそれぞれの特徴があり商品としての比較は難しいですが、運用のみを考えているのであれば投資信託、死亡リスクも備えながら運用を行いたいのであれば変額保険が良いかと考えます。
「自分が何を優先すべきか・・・」
「どんな商品を選べばいいのかわからない・・・」
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