2022年10月18日、政府は国民年金の保険料納付期間を5年延長する案を議論する方針を決定しました。(※1)現在、国民年金の保険料納付期間は20歳から60歳までの40年間です。これを、65歳までの45年間に延期するというのです。
このニュースを聞いて、驚いた人も多いでしょう。
本記事では、保険料納付期間延長検討の理由や、延長した場合にどうなるかなどについて解説します。
保険料納付期間延長を検討している理由
日本政府は、国民年金の保険料納付期間を現行の40年から5年延長し、45年とする案を議論する方針を固めました。
現在、国民年金の保険料納付期間は20歳から60歳までの40年間となっています。これを、65歳未満まで延期し45年間にするというものです。
延長検討の理由として、少子高齢化に伴う年金の財源不足があげられます。納付期間を延長し、給付水準低下を抑制し高齢者の生活を保障するのが狙いです。
公的年金について
公的年金制度は、国民年金(基礎年金)と厚生年金の二階建てになっています。それぞれの違いは次のとおりです。(※2)
- 国民年金(第1号被保険者):20歳以上の国民が全員加入
- 厚生年金(第2号被保険者):会社員や公務員が加入
第2号被保険者は、国民年金に加え2階部分の厚生年金を支払っています。
第2号被保険者に扶養されている配偶者は「第3号被保険者」といい、個別に保険料を納める必要はありません。
延長したらどうなる?
国民年金の保険料納付期間が45年となった場合、自営業者やフリーランスなどの「第1号被保険者」は65歳未満まで年金を支払い続けなければならなくなります。
一方、第2号被保険者の場合、現行でも65歳まで会社で働いている場合は厚生年金を納め続けているため、現状と変化はないといえるでしょう。ただし、60歳で会社を辞めた場合などは、65歳未満までの5年間、自分で国民年金を納めなければならなくなるため負担は増加します。
厚生年金の場合は、扶養している配偶者の保険料を個別に納める必要はありませんでした。しかし本人が国民年金となった場合、配偶者の年齢によっては、配偶者分の国民年金も納付しなければなりません。
自分で老後に備えるなら?
国民年金の保険料納付期間が延長されると、困る人は少なくありません。今後、どうなるかはまだ確定していませんが、このニュースを聞いて、老後のために自分でも資産運用をしておいた方が良いと感じた人もいるでしょう。
そこで、ここでは老後資金の資産運用におすすめの方法を3つ紹介します。
個人年金保険
個人年金保険は生命保険会社などで加入できます。加入時に受取金額が把握できるため、自分で投資を行うのが不安な人におすすめです。
条件に合えば個人年金保険料控除が受けられるため、節税効果があるのもメリットといえるでしょう。
個人年金保険は現金が必要になった際、中途解約することが可能です。ただし、保険の種類や解約の時期によっては、払い込んだ保険料の総額よりも戻ってくるお金(解約返戻金)の方が少なくなる場合があるため注意しましょう。
iDeCo
iDeCoは毎月自分で掛け金を拠出し、運用方法を自分で選んで運用していくというものです。それらのお金を老後に年金として受け取ります。
一般的に株式投資や投資信託を行うと、掛金や運用益に税金がかかります。
しかし、iDeCoで資金運用した場合、掛金・運用益・給付金受け取り時に税制上の優遇措置が受けられる点がメリットです。
ただし、原則として60歳になるまで資産を引き出すことができない点には注意が必要です。
つみたてNISA
つみたてNISAは、少額投資ができる制度です。制度を利用すると、年間40万円、最長20年間非課税で投資運用できます。
つみたてNISAで選択できる商品は金融庁に届け出をされた投資信託等に限定されています。ある程度厳選された中から商品を選べるため、初心者であっても商品を選択しやすいのがメリットといえるでしょう。
つみたてNISAは一度設定しておけば、定期的に一定金額を自動的に買い付けます。自分で投資をする場合は購入のタイミングや金額に悩むことがあります。しかし、つみたてNISAは自動的に買い付けを行うため、頭を悩ませる必要がありません。
まとめ
国民年金の保険料納付期間の5年間延期が検討されていると聞き、心配に感じた人も多いのではないでしょうか。これは、少子高齢化に伴い、年金の財源不足が危惧されているためです。
このような流れとなっているため、老後の資金が心配だと考えている人は少なくありません。自分の老後資金のために資産運用を行っている人も増加傾向となっています。
資産運用には「時間」が大きな味方となります。資産運用に興味があるものの何から始めたらよいかわからない方は、ぜひお気軽に、リサーチオンラインまでご相談ください。