将来のためにお金を準備しようと考えたとき、「貯蓄」もしくは「投資」を始めようと考える人が多いのではないでしょうか。
ここで、正しく理解しておきたいのが貯蓄と投資の役割の違いです。
似ていますが、この2つには明確に違いがあります。本記事では貯蓄と投資の違いについてわかりやすく解説します。多くの人が悩みがちな貯蓄と投資のバランスについても触れますので、参考にしてください。
この記事の目次
そもそも貯蓄と投資の違いと役割
「将来のためにお金を貯めよう」「資産形成しよう」と考えた場合、貯蓄や投資を始めようと考える人は少なくありません。
しかし、貯蓄と投資は似ているようで大きく違うため注意が必要です。それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。
貯蓄とは
貯蓄とは、お金を蓄えることを指します。銀行などに普通預金や定期預金としてお金を預けるのが、貯蓄です。
元本保証されているため安心です。一方で、現在の日本のように低金利の状態が続いていれば、貯蓄だけで資産を大きく増やすことはできません。
投資とは
投資とは、「将来の利益を見込んで資金を出す」ことを意味します。多くの場合、投資の目的はお金を増やすことです。
貯蓄と違い、元本保証はありません。しかし、投資に成功した場合は高い利回りでお金を運用できるため、資産を大きく増やせる可能性が高まります。
投資にはさまざまな種類があります。主なものは次のとおりです。
- 株式投資
- 債券
- 投資信託
- 外貨預金
- REIT
- 不動産投資
投資にはリスクが伴います。そのため、銀行にお金を預けるだけの貯蓄とは異なり、投資するためには、ある程度自分で勉強しなければなりません。また、複利の力は大きいため、投資でお金を増やすには時間の力も味方につけたいところです。そのため、できるだけ若いうちから投資を始めた方が、資産は多く増える傾向にあります。
貯蓄と投資のバランスは?
高金利の時代であれば、貯蓄だけでも資産の増加が期待できます。しかし、現在の日本は低金利が続いています。そのため、貯蓄だけでは資産形成が困難です。貯蓄と投資にバランスよく取り組むことで、資産の増加が期待できます。また、インフレ対策としても投資は有効といえるでしょう。
ここからは貯蓄と投資のバランスについてみていきます。
投資割合の平均値
日本銀行調査統計局が発表した「資金循環の日米欧比較」によると、日本はアメリカやユーロ圏と比較した場合、現金・預金の比率が極めて高いのが特徴です。(※1)
現金・預金 | 株式等 | 投資信託 | 保険・年金等 | その他 | |
日本 | 54.3% | 10.0% | 4.3% | 27.4% | 4.0% |
アメリカ | 13.3% | 37.8% | 13.2% | 29.0% | 6.7% |
ユーロ圏 | 34.3% | 18.2% | 9.6% | 33.8% | 4.1% |
とはいえ、日本の平均値として株式と投資信託を合わせた比率が、14.3%となっていることに驚いた人も多いのではないでしょうか。
NISAやiDeCoが普及してきたことにより、日本国内で投資をする人は徐々に増加しています。人生100年時代と言われる今、将来の資産形成のためには貯蓄だけでなく投資をすることが欠かせないと考えている人が増えてきているのです。
貯蓄と投資の割合を考える場合は、「いつどのくらいお金が必要か」を把握する必要があります。貯蓄と投資割合を考える前に、家計を見直して1か月分に必要な生活資金を把握しておきましょう。
半年~1年分の資金
毎月の生活費と急な病気やけがに備えた緊急時に対応するための資金は、貯蓄として手元に置いておくと安心です。目安として、生活費の半年〜1年分の資金は元本保証のある貯蓄として置いておくとよいでしょう。
今後10年の間に必要な資金
結婚式の費用や子供の教育費、車の買い替え、住宅購入の予定など、今後5〜10年の間に必要な資金を可能な限り洗い出します。これらは、確実に必要なお金なので投資性よりも確実性を重視した金融商品として保有しておくとよいでしょう。
リスクの低い金融商品としては、定期預金や国債などがあります。
老後の資金など長期的な資金
老後の資金など、今すぐ必要ではないお金については、投資で増やすことを検討しましょう。株式や債券、投資信託などが向いています。
iDeCoやつみたてNISAを利用すれば、投資と同時に節税対策が可能です。今まで投資をしたことがない人は、まず、iDeCoやつみたてNISAの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
日本では長い間低金利が続いています。そのため、貯蓄だけではなかなか資産の増加は見込めません。
そのため、なるべく早いうちから投資を始めてみることが大切になります。貯蓄額とのバランスをみながら、無理のない範囲で始めてみてはいかがでしょうか。
とはいえ、投資を始めるにあたりどのようにしたらいいかわからない人は少なくありません。リサーチオンラインでは、初めて投資に取り組む方からの問い合わせにもお答えしています。
投資に興味があるものの不安があり今一つ踏み出せない方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。