この記事の目次
はじめに
別荘地の投げ売り時代がやってくると近年話題になっていますが、別荘を保有するのは誰もが憧れること。ストレスだらけの日常からのんびり解放される場所があるというだけでも、少し気分が楽になりそうですよね。
しかしそんな夢の別荘地ですが、なぜ投げ売りになってしまうのか、別荘市場が抱える問題について詳しくご紹介していきましょう。
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別荘はバブル期の象徴
別荘地の投げ売り時代が来るとは、誰も想定していなかったのではないでしょうか。成功した人の証、別荘を持つことは夢、そんな手の届かない存在であった別荘は、昔の日本で財閥や政治家、華族などに許されたもの。
徐々に一般的に別荘が普及し始めて、空前の別荘ブームになったのは1990年代のバブル期です。高級別荘地と呼ばれる軽井沢、伊豆、那須などはディベロッパーがこぞって開発し、普通のサラリーマンですら別荘を購入するほど。
戸建ての別荘だけでなく、バブル期はリゾートマンションも多く建築され、別荘地として栄えていない場所ですら開発が進んでいました。当時の別荘の価格は、数億円する豪邸も決して珍しくはありません。
別荘を手放す人が増えている理由
別荘地の投げ売り時代到来なのか、そんなニュースを聞くと別荘地のオーナーはとても不安になるでしょう。別荘は週末や長期休暇をのんびり過ごすためだけでなく、投資目的で購入した人も多いはず。
近年別荘地を手放す人が多い理由でまず挙げられるのは、オーナーの高齢化といえます。海の近くや高原などの別荘地は、自宅から車や電車など移動が大変。
ひと夏を過ごすにしても荷物の準備、別荘の清掃や準備など、高齢者にとってはかなりの労力になってしまうでしょう。また別荘があっても経済的に不透明な今の時代、リゾートに遊びに行く金銭的な余裕がないことも理由です。
また多くの別荘オーナーが感じているのは、バブル景気が終わり別荘の利用価値を感じていないこと。派手な生活よりも安定した生活を求める人が増えているため、別荘を保有する精神的なゆとりもないのかもしれません。
現在別荘を購入してバブル時代のように頻繁に利用できるのは、一部の高額所得者のみなのかもしれません。
別荘の維持費が意外と高い!
別荘があっても、利用しないなら無用の長物。しかも別荘は維持費がかかりますので、思ったよりも負担が多く管理できないという人もいるでしょう。
別荘を購入するには、まず物件費用がかかります。中古別荘なら水道が通っていない、白アリ駆除をしなければならないなど、物件費用以外にも修繕費や工事費用も検討する必要があります。
さらに別荘を維持するためには火災保険料をはじめ、交通費、共益施設負担、管理費、温泉地なら温泉使用料や温泉更新料も。また別荘地は、利用の有無に関係なく電気やガスは基本料金がかかります。
そして注意したいのは別荘の税金。固定資産額の1.4%の「固定資産税」と最高0.3%ほどになる「都市計画税」、住民税などが課税される場合も。
場所や建物の広さによっても異なりますが、別荘地の維持費は年間で5万円~数十万円ほどかかることもあるでしょう。保有しているだけでもかかる維持費。
利用しない場合、お金がもったいなく感じるのは当然かもしれません。別荘は憧れるものの、そう簡単には扱えないところもありますね。
売りたくても売れない状況について
別荘地の投げ売り時代といわれるのは、いくつかの理由がありますが、実際に別荘価格をマイナスになってもいいので売却したい人は多いようです。
たとえば別荘地としてかつて人気があった伊豆。相模湾が一望できる素敵なロケーションの物件が、販売価格1円というケースも。それでも売れなかった理由は、水道維持協力費が40万円前後かかることや、登記費用などで合計100万円ほど必要になるため。
さらに別荘の物件によっては、バブル期に購入したものは当時新築でも現在は老朽化している可能性もあるでしょう。アウトドアブームで、安い別荘地があれば皆で楽しめると考える人もいるはず。
しかし場所によってはテントを設営したり、バーベキューが禁止されていたりすることも少なくありません。築年数が古いと不動産価値が下がるのは仕方ありませんが、それでも利用価値があるかどうか考えた時に、投げ売りされている物件ですらあまり魅力は感じられないのかもしれません。
新時代の別荘スタイルが増えている!
別荘の不動産評価額と利用価値や維持費などを考えると、大きな差がある今の時代。本来のリゾートとしてではなく、田舎暮らしのリロケーションやリモートワークで地方に暮らす人が増えているため、新しい形での別荘地の利用も増えています。
バブル期ほど別荘の需要はありませんが、投げ売りして安く購入できる背景があるのは確か。そのチャンスを上手く使えば、豊かな自然の中で快適な暮らしが可能になるかもしれません。
まとめ
別荘地の投げ売りは、当時高い価格で購入した人は想像しなかったでしょう。別荘を持つステータスにあまり興味を持たない人が増えている今の時代、親が子供に遺産相続したくても別荘は遠慮したいという人が多いのは納得できるところもあるかもしれません。