日本電産と検索すると「やばい」という関連キーワードが表示されます。そのため、日本電産はどんな会社なのか、やばい会社なのかと気になる人は少なくありません。
しかし、日本電産株式会社は「やばい」会社ではないためご安心ください。本記事では、日本電産がやばいと言われる理由や、創設者・今話題の半導体ついて解説します。
やばいと言われる理由
日本電産株式会社は、産業用機器・家電・精密機器などに必要なモータの製造・販売を主力事業としている会社です。モータ市場は今後もさらに拡大していくと考えられています。
日本電産がやばいと言われている理由を2つみていきましょう。
同業他社と比較して年収が低い
日本電産は同業他社と比較した場合年収が低い傾向にあります。
日本電産が公表している有価証券報告書によると、2020年度の年間平均給与は約588万円です。(※1)
競合他社の年収と比較してみましょう。
会社名 |
平均年収 |
オムロン |
803万円(※2) |
村田製作所 |
731万円(※3) |
京セラ |
684万円(※4) |
日本電産 |
588万円 |
このように比較した場合、年収が低いため「やばい」と言われています。
ただし、厚生労働省による「令和2年賃金構造基本統調査」(※5)によると製造業の平均給与は321万円です。平均から見た場合は、安いと言い切ることは困難といえます。
かつては労働環境が悪かった
日本電産は激務で、パワハラが強いという印象があるようです。ただし、時代の流れとともに会社の社風も変わってきています。
ここからは、年収や社員口コミが数多く寄せられるサイト、OPENWORKに寄せられた社員の口コミ情報をみていきましょう。(※6)
- 会長の指示、承認は絶対で、幹部を含め誰も逆らえない
- 目標は黒字が当たり前
- ゆるく働ける社風ではない
- プライベートな時間を削らなくてはいけない
このような口コミが見られます。社風が厳しい分、その分、会社としてのスピード感は早く、ストイックなことにより他の企業よりも抜きんでるという強みを持っているともいえるでしょう。
創設者について
日本電産の創設者は永守重信氏です。とても厳しく働く人として有名です。「一番以外はビリ」「休みたいなら辞めれば良い」などの考え方を持っており、周囲にも同様の行動を要求していたといいます。
永守氏は「1日16時間労働」「元日の午前中以外365日毎日働く」という働き方をして成果をあげてきたため、周囲への要求も自然とハイレベルなものになります。
そのため以前は社員にもかなり厳しい働き方が要求されていた時期もあったようです。しかし、M&Aで傘下に収めた海外企業などでの見聞を通じ徐々に考え方を変えました。
2016年には将来の残業ゼロを宣言していることからも、考え方に変化があったことがわかります。
今話題の半導体について
最近、世界的な半導体不足が起きているという話題を耳にした人は多いのではないでしょうか。
スマートフォンやパソコン、車をはじめとした多くの電子機器に半導体が用いられており、あらゆる産業で欠かせない部品です。
パソコンやスマートフォンが急速に普及し、多くのもののデジタル化が進む中で半導体の需要は増加していました。しかし、コロナウイルス感染症が世界的に広がり、多くの工場が稼動できなくなりました。半導体を作る工場も例外ではありません。
さらに、世界情勢の影響などを受け、半導体不足が多くの企業にネガティブな影響を与えています。例えば、日産自動車は2021年5月に、半導体不足が約50万台の自動車生産に影響したと伝えています。(※7)
そんな中で、2022年6月7日、日本電産は半導体ソリューションセンターを設立すると発表しました。(※8)半導体産業の見通しが立ちづらい中、自社製品の安定した生産と供給を目的としています。
主な事業内容は次の3点です。
- 半導体メーカーとのパートナーシップを構築
- 持続的な半導体のサプライチェーンを確立
- 半導体とモータの相乗効果による高付加価値ソリューションの提供
日本電産は半導体を内製することにより、製品の高付加価値化を図ります。高付加価値の半導体は「インテリジェントモータ®」といい、日本電産が開発した小型コンピュータ内蔵のモータを指します。無線ネットワークで簡単に制御でき、位置・速度・トルクなどのさまざまなモータ情報が取得可能になります。
まとめ
日本電産は、カリスマ性を持つ永守重信氏が創設した会社です。インターネット上では「やばい」という話もあがっています。
その原因は、給料や労働環境にあると考えられます。同業他社と比較した場合、給料は高いとは言えません。なお、かつてはブラックな労働環境のある会社として知られていましたが、現在では残業を減らす方向で進んでおり、今後の動向を見守りたいところです。
日本電産による半導体ソリューションセンターが設立されました。これにより、世界的な半導体不足の状況の改善に一歩近づくことが期待されています。